呆けは老人の友”
老いるとは「忘れたり、ドジったり、落したり、ひっくり返ったり」我ながら情けない状況と付き合いながら日々暮らさねばなりません。
元々ドジっぽい人はそれほどでもありませんが、若い頃を矍鑠(カクシャク)と生きてきた紳士ほど、又いつまでもシッカリした人ほど、その受け入れ難い落差に苦しみます。
こうした老人にとって救いの手があります。それが「痴呆現象」なのです。
男性老人の中には、その落差(おむつや、シモ’の屈辱など)に耐える方便として自らの威厳を自ら放棄し、防衛的痴呆症状を示す人がいます。
頷けます。こうした老人にとって痴呆は駆け込み寺のようなものです。
老人の痴呆現象は「精神の免疫作用」のようなもので、排斥せねばならぬようなものではありません。軽い痴呆は老人の味方、良き友です。