老いても病んでも回転ずし

体力の衰えは知的生活で補おう。老いても病んでも例え病床にあっても十分楽しい生活は送れます。

呆けて生きる?

 かなり以前ニユースで聞いた話ですが、ある老人女性が行方不明になり、3年ほど経ってある介護施設で保護されていて、存命でいらっしゃることが分かりました。
この女性はこの施設に来る前、3回移動されていますが、いずれの時も氏名も住所も忘れたと言うことで、他人から付けられた愛称で暮らしておられたのです。

 ところがある経緯で元住んでいた場所が分かり、そこに戻って生活するようになられたのです。
暫くたって様子を覗いに訪れた施設の職員がビックリ仰天。
自分の本名は元より、幼いころのことも記憶が戻り、普通の会話をして普通の日常を送っておられるのです。施設に居た頃の痴呆症状は全く覗えません。
これはどういうことでしょう。

 私には痴呆の病状が回復したと言うよりは、3年間痴呆を演じておられたのではないかとさえ思えるのです。
彼女の痴呆が全て演技とは言いませんが、他人に世話になる境遇に置かれた老人にとっては「痴呆と認定」してもらうのは色んな責任を免除され、案外居心地が良いこともあります。これはあくまでも演技と言うよりは潜在的欲求から防衛的に痴呆になってしまうと言うことなのでしょう。

               丹波老子(oiyan)