老いても病んでも回転ずし

体力の衰えは知的生活で補おう。老いても病んでも例え病床にあっても十分楽しい生活は送れます。

自分流のアルゴリズム

 もう40年以上も昔のことになるが私が子供を育てていたころ、学校の教育方針で「水道方式」というのが流行り出し、子供が入学するまで親は「算数を教えんといてくれ」と言われたことがある。
簡単な足し算引き算をするにも色んなやり方がある。例えば(13-8)、3から8は引けないので10から8を引いて2、この2と引けなかった3を足して5、よく忘れたがこういう一つの計算方法に統一した方が計算が速くなり落ちこぼれが少なくなると、、これを覚えると水道の蛇口を捻るように後はどんどん答えが流れ出る。これが水道方式と呼ばれるものだったように記憶している。
小学校に入学したらこれを教えるので親がそれ以外の計算の仕方を教えてもらったら困ると言うのであった。どうも私は腑に落ちなかった記憶が残っている。

 効率を最優先し教育を一つのアルゴリズムに統一しようとする文科省
その効率とはペーパーテストの成績に過ぎない。
アルゴリズムは一つ。将軍様に任しておけば何事も正しい方向に導いて下さる」こんなお国と発想が大同小異。

 今思い出しても納得できん。考え方や計算方法なんて人それぞれでよいのだ。
片手5本、両手で10本の指を使って巧みに計算する者が居たってかまわない。
こういった「自分流のアルゴリズム」は一時のペーパーテストには向かないかもしれないが思わぬところで未来を拓く発想のヒントを産むことがあるとしたものだ。こうした「発想の転換力」が今後求められる人材だろう。

多様性を尊重すると言うことはアルゴリズムが多岐にわたることを認めると言うことだ。
私は日本の教育がここを大転換しなければ「日本の未来はない」と思っている。
残念ながら60年経った今もこの教育は転換し切れていない。大転換とは「大学入試を廃止する」と言う位の発想がなければならない。ムリだろうなあ。