老いても病んでも回転ずし

体力の衰えは知的生活で補おう。老いても病んでも例え病床にあっても十分楽しい生活は送れます。

白幽仙人=秘密の健康法「内観の法」

「つべこべ言わずにやれ」


 「そもそも万物の根源は道(タオ)じゃ。そこから分かれた陰陽ふたつの気がモノやヒトを生み出した。その気が人体をめぐり、命を支えておる。ここで大切なことは、上ばかりに気をとられず、下を見つめることじゃ。達人(タオの人)は常に気を下に充実させる。凡人は常に上に気をおくから苦しむのじゃ。」

「下を見つめること?」
「そう。ゆえに荘子いわく、真人(しんにん)の息は、これ踵(くびす)をもってし、衆人(しゅうじん)の息は喉(のど)をもってす、と。」

「踵(くびす)とは、かかとのこと。真人(しんにん)は、悟った人。衆人(しゅうじん)は、ただの人。気がへその下の丹田に集まれば、自然と腹式呼吸になり、呼吸はあたかも喉ではなく足の裏でするかのように感じる。」
「大切なのは、天から頂いた先天の気を、天地自然に満ちている原エネルギーとひとつにすることだ。それができれば、病は治る。治った後は、世のため人のため感謝の気持ちでまわりに尽くすことじゃ。多くの者は、自分のことで頭ばかり使って、気が下へとめぐっておらんのじゃ。」
丹田を意識して呼吸すること。これがすなわち内観の法じゃ。足の裏で呼吸していると感じられるまでまずは続けてみることじゃ。」

白幽先生が禅師に教えたこの「内観の法」は、のちに「丹田呼吸法」という名で現代へと伝えられています。
一通り先生の説明を聞いた禅師はこう訊き返します。
「わかりました。やってみましょう。しかし先生、気を丹田の一点に集中させると、かえって気がとどこおる心配はないでしょうか?」
「バカもの!また頭を使っているではないか!だからそなたは病気になるのじゃ。つべこべ言わずにまずは、やってみることじゃ。